濱手帖8号 野毛山特集雑感

横浜市の中心街に近い野毛地区。その高台に誰でも無料で気軽に入れる動物園がある。横浜市立野毛山動物園。ハマっ子ならおなじみの場所だ。


今年で創立70周年だという。終戦直後の昭和26年にオープンしている。横浜が、まだ焼け跡の空き地だらけで、市の中心部は米軍に接収されカマボコ兵舎が立ち並び、山下公園さえ日本人立ち入り禁止だった時代だった。


創立70年というと、終戦後産まれたいわゆる団塊の世代の成長と期を一にする。戦後日本の高度成長を支え昭和の繁栄を築き今次々とリタイヤーを迎えている世代だ。70年の年表を見ているとつくづくそう思う。
 
日本も世界も変わり年号も世紀も変わり、戦後の光景を目に浮かべられる人も少なくなり始めた。そんな中で、環境問題や生物愛護など、いろんな問題も絡み動物園の役割や存在意義も問われるようになってきている。
ただの集客施設ではない、大きな存在意義が動物園に求められているのだ。
 
展示動物の福祉はもちろんだが、種の保存、市民に対する環境教育、何より生きている動物と触れ合うことによる地球の上での生物の多様性の実感、
キリンの大きさやクジャクの羽にびっくりして驚くその感動こそが環境に関する一番の入り口だからである。
 
そんな野毛山動物園の今の姿を、年表と共に紹介した濱手帖の第8号。かわいい動物の写真だけでなく、今の動物園を語る園長との対談もぜひ楽しんでほしい。


PtoP濱手帖編集部一同